トピー工業株式会社(本社:東京都品川区、社長:高松 信彦、以下「トピー工業」)は、東京大学発スタートアップの株式会社EVERSTEEL(本社:東京都文京区、代表取締役社長:田島 圭二郎、以下、「EVERSTEEL」)と共同で、AIによる鉄スクラップの等級やダスト量の解析、不適合品検出実証実験を開始しました。これにより、鉄スクラップの受入れの際に実施している検収員の目視による鉄スクラップ品質の査定結果のばらつきや人財不足といった課題の解決を図ります。今後、鉄スクラップの解析結果を用いて、検収プロセス後の鉄スクラップの電気炉への装入や、溶解などを含めた製鋼プロセス全体の最適化に向けた開発を進めてまいります。

【背景】

 脱炭素社会の実現に向けて、国内のCO₂排出量の11.5%を占める鉄鋼業界でのCO₂排出量抑制への取り組みは欠かせません。鉄スクラップをリサイクルして製鋼する電炉法は、鉄鉱石や石炭を使用して製鋼する高炉法に比べてCO₂の排出量を抑制できるため、電炉法での製鋼を促進することでCO₂排出量の抑制につながります。
 しかしながら、鉄スクラップには、建造物に使用される鉄パイプやドラム缶、ガスボンベ、冷蔵庫のような電化製品まで多種多様なものが混在しており、品質や異物を判別することが困難で、国内の粗鋼生産量における電炉法の割合は約30%に留まっています。また、鉄鋼メーカーの工場では熟練の検収員が目視で品質や異物を判別するため、人による査定結果のばらつきが発生しています。

【取り組み状況】
 トピー工業とEVERSTEELは、これまで鉄スクラップの画像解析技術の開発について協議し、検討を重ねてまいりました。2022年12月より実証実験を開始し、検収プロセスにおいて鉄スクラップを撮影し、鉄スクラップの等級やダスト量の解析、不適合品の検出を実施しています。現時点では熟練工の検収員と同等レベルの判定精度を得ることができています。トピー工業とEVERSTEELは、相互に培ってきた技術を結集し、今後もより実用性の高い自動解析AIシステムの開発を進め、鉄スクラップ検収業務の改善に加え、製鋼プロセス全体の改善に資する取り組みを継続してまいります。

 

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