鉄の資源循環を実現するビジネスモデル

当社グループは、社会の消費活動・生産活動の中で排出された鉄スクラップを原料とする製品を生産しています。こうしたビジネスモデルを通じて、私たちは、社会のリサイクルシステムの中で生産活動の一翼を担っています。また同時に、生産フローの中にも独自のリサイクルシステムを構築して資源の再利用に取り組んでいます。

廃棄物の削減とリサイクル

生産活動で発生する鉄スクラップの一部は、電気炉製鋼用の原材料として直接社内で再利用しています。そのほかの廃棄物についても再資源化を図り、最終処分量の削減に努めています。また、製鋼工程で発生する酸化スラグは、土木用材料およびコンクリート骨材材料などに再利用しています。

2022年度の当社グループにおける産業廃棄物の合計は、排出量が276千トン、最終処分量が30千トンでした。

引き続き、3R(Reduce, Reuse, Recycle)の拡大や改善を推進し、廃棄物の再資源化と最終処分量の低減に努めていきます。

電気炉スラグの有効活用

当社グループは、電気炉スラグのリサイクルによる資源の有効活用を推進しており、電気炉スラグの発生量に相当するリサイクル製品を販売しています。

電気炉酸化スラグ骨材

豊橋製造所では、スラグ冷却設備と破砕設備の導入により、電気炉精錬時に発生する酸化スラグと、二次精錬工程で生成し連続鋳造後に取鍋から排出される還元スラグを完全分離し、処理・加工して再資源化する体制を整え、2013年4月に「JIS A 5011-4:コンクリート用スラグ骨材-第4部:電気炉酸化スラグ骨材」の認定を取得しました。

その後、2013年12月に「改正JIS A 5011-4」の認定も取得し、コンクリート用電気炉酸化スラグ骨材の製造・販売を広げています。

電気炉酸化スラグ骨材は、従来コンクリート用骨材として利用されてきた天然砂や砂利などの天然骨材より比重が重く、消波ブロックなど重量コンクリート向け骨材として利用されています。また、コンクリート用電気炉酸化スラグの普及に努めることで、天然骨材の採掘に伴う自然環境への影響やエネルギー使用を抑えることもできます。

電気炉スラグ再生路盤材

電気炉スラグ再生路盤材(商品名:ECOストーン™)は、酸化スラグと還元スラグを破砕、ふるい分けし混合した再生路盤材です。このECOストーン™は、愛知県で2002年から始まった「愛知県リサイクル資材評価制度(愛称:あいくる)」の認定を2014年8月31日に取得し、公共工事で使用可能な品質・性能および環境に対する安全性を満たしている“あいくる材”として認められました(認定番号:2)-201)。

ECOストーン™は、有害物質の溶出量、含有量どちらも環境基準値を大きく下回っており、環境上安全に使用することができます。