軽量化ホイール「超々スクエアホイール」

EV化に向けたディスクの軽量化

 

自動車業界では、環境負荷低減を目的としたBEV(Battery Electric Vehicle)化が加速する中で、電費改善など車両の航続距離向上の取り組みが日々続けられています。また、ホイールに対しては、軽量化や空力性能、高意匠が求められています。当社の乗用車用スチールホイール「超々スクエアホイール」は、ディスク外周部に垂直に立ち上げた縦壁を設けた現行品(超スクエアホイール)の窓部を意匠面側へ張り出させ、縦壁部の軸方向長さを確保することで、窓部の拡大による軽量化と高剛性化を両立できる技術です。現行品に対してディスクの素材使用量を約10%削減することができ、素材使用量削減と車両の電費燃費の向上により環境負荷低減に貢献する技術です。

アルミホイール塗装ノンクロム前処理

業界初のクロムフリー工法に成功

 

アルミホイールの表面処理は、長期にわたり錆びないことと変色しないことを重視して設計され、防錆にはクロム処理が不可欠と考えられてきました。しかし、欧州での環境規制などを受けて、各自動車メーカーでは、クロムなどの重金属を使わない表面処理技術に注目しています。こうしたニーズを受け、クロムの代替金属の検討と技術開発を重ね、独自の特殊処理を活用し、業界で初めてクロムフリー工法に成功しています。

水溶性塗装履帯

環境負荷の大幅な削減に貢献

 

環境負荷の大幅な削減に貢献建設機械用の足回りに使われる履帯は防錆などの目的で塗装されて使用されます。従来は溶剤系塗料が用いられてきましたが、2019年に豊橋製造所の新履帯組立ラインが新設されたことに合わせて水溶性塗料に切り替えました。これによりVOC(揮発性有機化合物)の排出量を大きく抑制することができました。また、同所における履帯の素材から製品までの一貫生産を実現し、輸送量を大幅に削減することで、CO_{2}排出量の削減に貢献しています。

鉱山機械用超大型ホイール「SGOR®」

左:SGOR® 右:乗用車用ホイール
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左:SGOR® 右:乗用車用ホイール

鉱石の採掘と輸送を効率化する世界最大のホイール
 

鉱石の採掘と輸送を効率化する世界最大のホイール
SGOR®(Super Giant Off the Road Rim)は、鉱山機械用超大型ホイールです。このホイールは、海外の大規模鉱石採掘現場などで使用されています。世界最大径のホイールはリム径63インチ(約1.6メートル)、幅44インチ(約1.1メートル)、重量は2.83トンにもなり、乗用車用ホイールと比較すると直径で約5倍の大きさとなります。鉱山で求められる機動力と輸送力をともに満たすことで、鉱石採掘に伴う環境負荷の低減に貢献しています。

環境ラベル「SuMPO EPD(旧エコリーフ)」認証の取得

https://ecoleaf-label.jp/organization/50
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https://ecoleaf-label.jp/organization/50

一般社団法人サステナブル経営推進機構(SuMPO)が認証する環境ラベル「SuMPO EPD」※(旧 エコリーフ)の認証を、平鋼等7製品で取得しています。SuMPO EPDは、ライフサイクルアセスメント(LCA)手法を用いて、資源採取から製造、物流、使用、廃棄、リサイクルまでの製品のライフサイクル全体の環境情報を定量的に開示する環境製品宣言(EPD)認証制度の一つです。この認証により、お客さまは使用する製品の環境負荷を定量的かつ客観的に評価することができ、環境に配慮した製品を購入する上での判断材料とすることができます。

※国際規格ISO 14025に準拠したタイプⅢ環境宣言で、EPD(Environmental Product Declaration)の1つ。2024年4月に「エコリーフ」から「SuMPO EPD」に名称変更。

「TACoil®」の新技術情報提供システム 「NETIS」への登録

新技術の活用促進へ

 

鉄筋コンクリート用棒鋼「TACoil®(ティーエーコイル)」は、その加工生産性の向上や加工時の材料廃棄ロスの低減が評価され、国土交通省の新技術情報提供システム「NETIS(New Technology Information System)」に登録されました。

TACoil®は、鉄筋コンクリート用棒鋼を高密度で巻き取ったコンパクトコイルで、NC加工機と併用することで鉄筋加工における 加工生産性を大幅に向上させるとともに、鉄筋を自由な長さに切り出せるため加工時のロスを極限まで低減させられます。

こうした特長を生かし、建設業界の少子高齢化による人手不足などの課題解決に貢献する製品です。

 

オンサイトPPAモデルによる 太陽光発電設備導入の決定

再生可能エネルギーの活用を推進

 

当社グループは、CO2排出量削減の一環として再生可能エネルギーの活用を促進するため、オンサイトPPAモデルによる太陽光発電設備を2025年5月より導入することを決定しました。豊橋製造所における年間発電量1,700MKhを想定し、年間約770トンのCO2排出量の削減を見込んでいます。当社グループは、2050年の持続可能な社会の実現に向けたサステナビリティ長期ビジョンを策定し、気候変動に対する取り組みとして、2050年におけるカーボンニュートラルの実現を目指しています。豊橋製造所への設置を皮切りに、国内外のグループ会社の拠点で設置を検討してまいります。

亜鉛リサイクル技術開発に参画し キノテック社との共同研究スタート

キノテック社の開発した、電気炉ダストから亜鉛をリサイクルする新キノテック法(直接アルカリ浸出電解法)に関する共同研究を2024年9月に開始しました。この技術は、電気炉で鉄スクラップを溶解する際に発生する電気炉ダストから直
接高純度の亜鉛を再生する革新的な方法であり、従来の手法に比べて環境負荷とコストの大幅な削減が期待されています。共同研究を通じて実用化に向けて取り組み、持続可能な資源循環型社会の実現に貢献してまいります。

明海リサイクルセンターによるリサイクルの高度化

日本最大級のシュレッダープラントを持つ連結子会社の明海リサイクルセンターは、廃自動車や雑品屑等をシュレッダーで破砕し、鉄スクラップと非鉄スクラップに再生するとともに、プラスチックやゴム等からなるシュレッダーダストを炭材の代替品として当社の電気炉で活用するなど、廃棄物の発生を極限まで抑制したリサイクルシステムを構築しています。