当社グループは、SDGsの目標3「すべての人に健康と福祉を」に直接つながる活動として、2020年より「健康経営宣言・取り組み方針」を掲げ、健康で安心して社員が能力を発揮できる環境を整備し、会社および職場の魅力を高める「健康経営®」を推進しています。
トピー工業は、社員が「こころ」も「からだ」も健やかでいることで、職場が笑顔と活気にあふれ、能力を最大限に発揮できると考えています。社員とともに会社がさらに活性化していくために、健康づくりや職場環境づくりに全力で取り組むことを宣言いたします。
代表取締役社長 石井 博美
- 社員は、自らの健康の維持・増進について主体的に考え、学び、実践していく
- 職場は、自職場の健康課題を認識して改善に取り組むとともに、同僚間で互いの健康に気を配り、健康づくりを推進していく
- 会社は、社員と職場の健康づくりが促進されるよう、具体的な制度や施策を推進する
※2023年4月制定。社員と会社がともに健康づくり・健康職場づくりに取り組むための行動を表しました。
3つの「整える」
1.からだ(疾病予防、健康なからだづくり)
社員のからだの健康を整えるため、健康意識向上や生活習慣病をはじめとした疾病の早期発見・早期治療、重症化予防につながる健康情報や健康行事を積極的に提供します。
2.こころ(メンタルヘルス不調の予防と対応)
社員のこころの健康を整えるため、ストレスチェック分析や産業医面談の活用、健康保険組合や産業医との連携強化によるメンタルサポートを実施します。
3.ワークライフ・バランス(労働時間の適正化、余暇の充実)
社員のワークライフ・バランスを整えるため、時間外業務の抑制や休暇取得向上、また、こころから余暇を楽しめる施策実施に努めるとともに柔軟な働き方のできる制度を拡充し、公私ともに健康で豊かな時間を確保できるように職場環境を整備します。
当社は、継続的な健康増進・本質安全活動の取り組みを通じて、持続可能で安全・快適な職場環境づくりを目指しています。推進にあたっては代表取締役をトップとした推進体制を構築しています。
中央健康安全委員会では、全社の労働安全衛生に関する協議を年2回、労使で実施しています。さらに、その下部組織として健康推進協議会および健康推進分科会を組織し、PDCAサイクルを運用しながら健康経営活動を推進しています。健康推進協議会には産業医、保健師および看護師が参画し、トピー健康保険組合とも連携して開催しています。さらに、半期に1度、トピー工業労働組合、健康推進分科会のメンバーが参加する対面集合形式の会議を実施し、これまでの取り組みの振り返りや今後の計画等を共有しています。
また、各職場の健康づくりをともに推進する「ウェルネスリーダー」を配置し、さらなる社員・職場の健康づくりを促進しています。

全ての社員が、明るく・安全に・安心して働き、その能力を十分に発揮し続けられる状態の実現を目指し、戦略マップに基づく心身の健康づくりを目的とした多様な健康施策を推進しています。社員の健康施策への参加を通じて、職場環境の改善、健康・治療行動の促進、心身の健康状態の維持・増進に取り組み、ワークエンゲージメント※1の向上を図るとともに、プレゼンティーズム※2、アブセンティーズム※3による損失の抑制を図り、当社の目指す姿の実現につなげていきます。
※1ワークエンゲージメント:社員が仕事にやりがい(誇り)を感じ、熱心に取り組み、仕事から活力を得ている状態
※2プレゼンティーズム:社員が何らかの疾患や症状を抱えながら出勤し、何らかの体調不良があるまま働いており、本来の能力よりも生産性が低下している状態
※3アブセンティーズム:社員が健康問題により仕事を欠勤している状態
-
健康経営戦略マップ (302KB)
社員一人ひとりが明るく・安全に・安心して働き、その能力を十分に発揮できる状態をつくるため、全ての社員が取り組むべき健康行動として、心身の健康や生産性に影響を与える可能性がある7項目を選び「Active7」と定めました。

➊ 運動:毎日1時間はからだを動かそう
➋ 睡眠:質の良い睡眠をとろう
➌ 食事:就寝2時間前までに食事をとろう
➍ 飲酒:お酒は2合未満/日 かつ 休肝日を2日/週 設けよう
➎ 禁煙:タバコはやめよう
❻ 体重:適正体重を維持しよう
➐ ストレス:ストレスとうまく付き合おう
設定した7つの項目において各項目が実践できている場合は1点とし、合計点によりActive7スコアを算出して全社および各製造所の推進状況をモニタリングしています。
2023年度のデータにおいてActive7スコアと主要KPIの相関傾向を検証したところ、Active7スコアが高い社員ほど心身の健康状態が良く、業務パフォーマンスも高い結果となりました。そのため、健康アウトカムの改善に向けて、Active7に紐づいた健康経営施策のさらなる浸透強化を図っていくことが重要だと考えています。
2024年度の結果を見ると、Active7のスコアが高いほど健康管理不良者率は低く、ワークエンゲージメントが高く、プレゼンティーズムの損失も低くなっています。
Active7のスコアが高いほどプレゼンティーズム損失が低い

Active7のスコアが高いほど健康管理者不良率が低い

Active7のスコアが高いほどワークエンゲージメントも高い

-
当社の主要施策 (384KB)
当社では、健康経営戦略マップの主要KPI等に基づき中期目標を設定し、経年変化の分析を通じて継続的な取り組みの改善を行っています。2022年度(当社での健康経営が本格化する前)と2024年度のデータを比較した結果、からだの健康面では、生活習慣総合スコア 4点以上の社員割合は増加した一方で、適正体重維持者率が低下し、それに伴い健康管理不良者率が上昇しました。特に、生活習慣総合スコア3点以下の社員では適正体重維持者率が低く、健康管理不良者が多い傾向が見られます。これらを踏まえ、健康行動の促進施策を一層強化し、スコア4点以上の社員割合の拡大を図ってまいります。
こころの健康面では、仕事の量的負担の軽減などにより、身体不調者率および高ストレス者率が低下し、ワークエンゲージメントの向上やアブセンティーズムの改善につながりました。
引き続き、全ての社員が取り組むべき健康行動「Active7」を軸に健康施策強化や全社への理解・浸透強化を図り、これらの課題を解決することで、最終目標であるアブセンティーズムの、2025年度0.36%の達成を目指します。(目標設定根拠:過去5年間における最小値)
分類 |
指標 |
実績 |
目標 |
|||
2022年度 |
2023年度 |
2024年度 |
2025年度 |
|||
健康施策 |
1次予防 |
総実労働時間 |
1,934h |
1,913h |
1,881h |
ー |
有給休暇取得率 |
79.0% |
83.4% |
78.0% |
ー |
||
ストレスチェック受検率 |
97.3% |
96.5% |
97.0% |
98.0% |
||
2次予防 |
健診受診率 |
96.9% |
100.0% |
99.9% |
100.0% |
|
精密検査受診率 |
77.9% |
57.1% |
65.0% |
ー |
||
保健指導実施率 |
86.9% |
94.9% |
89.0% |
ー |
||
仕事の要求度・ 資源 |
仕事の要求 |
仕事の量的負担 |
8.42 |
8.17 |
8.10 |
8.30 |
仕事の資源 |
上司の支援 |
7.37 |
7.34 |
7.43 |
7.80 |
|
同僚の支援 |
7.60 |
7.54 |
7.59 |
7.80 |
||
個人の資源 |
ヘルスリテラシー※1 |
ー |
3.34点 |
3.37点 |
ー |
|
ストレス対処度※2 |
ー |
66.3% |
66.0% |
ー |
||
健康・治療行動 |
生活習慣 |
生活習慣総合スコア4点以上割合※3 |
43.3% |
44.1% |
47.3% |
60.0% |
身体活動者比率※4 |
47.1% |
46.3% |
48.9% |
55.0% |
||
喫煙率 |
36.9% |
33.2% |
28.0% |
28.0% |
||
治療 |
高血圧治療中率※5 |
72.2% |
76.4% |
80.1% |
82.5% |
|
心身の健康状態 |
からだ |
適正体重維持者率※6 |
63.1% |
61.1% |
59.4% |
64.5% |
健康管理不良者率※7 |
58.9% |
61.0% |
63.4% |
55.0% |
||
こころ |
高ストレス者率 |
18.0% |
16.2% |
15.9% |
11.1% |
|
身体不調者率※8 |
37.9% |
37.1% |
36.8% |
30.0% |
||
業務パフォーマンス |
ワークエンゲージメント※9 |
ー |
4.34 |
4.41 |
ー |
|
プレゼンティーズム(損失)※10 |
ー |
18.0% |
20.4% |
ー |
||
アブセンティーズム(損失)※11 |
0.75% |
0.59% |
0.48% |
0.36% |
||
その他 |
健康課題起因での離職率 |
0.26% |
0.60% |
0.30% |
0.21% |
※1 健康アンケート結果を基に、健康管理・増進のために必要な健康情報を入手、理解、評価、活用することのできる力に関して社員平均を算出(1~5点で評価、数値が高いほど良い)
※2 ストレスチェックの追加設問結果を基に、ストレスにうまく対応できている社員割合を算出(数値が高いほど良い)
※3 問診結果を基に、「運動」「食事」「睡眠」「飲酒」「喫煙」の望ましい健康行動がどれほどとれているかを各0or1点で評価し、合計5点満点における4点以上の社員割合を算出(数値が高いほど良い)※4 問診結果を基に1日1時間以上の歩行または身体活動を実施している社員割合を算出(数値が高いほど良い)
※5 健診・問診結果を基に、高血圧者のうち治療している社員割合を算出(数値が高いほど良い)
※6 健診結果を基に、BMIの適正範囲(18.5以上25.0未満)に収まっている社員割合を算出(数値が高いほど良い)
※7 健診結果を基に、血圧・脂質・血糖・肝機能・貧血の5項目のうち1つでも人間ドック学会基準のC判定に抵触した社員割合を算出(数値が高いほど悪い)
※8 ストレスチェック結果を基に、身体愁訴の評価点が1or2点の社員割合を算出(数値が高いほど悪い)
※9 ストレスチェック結果を基に、仕事へのエンゲージメント(仕事の活力、仕事に対する誇りの合計点)に関する社員平均を算出(2~8点で評価、数値が高いほど良い) [ストレスチェック受診者:2,165名、回答率:97%]
※10 健康アンケートを基に、直近4週間のパフォーマンス損失割合に関する社員平均を算出(数値が高いほど悪い) [健診実施義務のある従業員(2,105名)を対象に測定、回答率80.3%]
※11 欠勤データを基に、疾病欠勤日数率(疾病欠勤日数合計÷全社員の所定労働日数合計)を算出(数値が高いほど悪い) [年度内在籍者(2,043名)における欠勤データを活用]

当社は、社員が明るく・安全に・安心して働き、その能力を十分に発揮できるよう、7つの健康行動「Active7」を基盤とした各種施策を推進しています。
今回の分析では、Active7スコアが改善した社員ほど身体不調の改善が見られ、逆にスコアが低下した社員では不調の悪化が目立つ傾向が確認されました。この結果は「Active7」を基盤とする施策の推進が実際に社員の身体不調の改善につながっていることを示すものです。今後も継続的な効果検証を行い、健康データに基づく施策の改善や、一人ひとりに寄り添った支援体制の強化に努めてまいります。
健康経営の戦略およびActive7に関する理解・浸透活動として、2023年度に改めて全ての社員に向けた健康経営に関する説明会を本社・4製造所で計16回実施しました。また、2024年10月のトピー健康月間では、社長、製造所長から社員へメッセージを配信し、さらなる健康経営に関する理解と浸透強化を図っています。


当社は「健康経営優良法人2025(大規模法人部門)」「スポーツエールカンパニー2025」に認定されました。


※健康経営は、NPO法人健康経営研究会の登録商標です。